難解極まりない超複雑な機械式時計の仕組みを“優しく”解説する『超弩級 複雑腕時計図鑑』がMEN’S EX特別編集によって発売に。ここでは、その中身をピックアップしてご紹介する。
19世紀初頭の特殊な機構が腕時計となって現代に蘇る
スイスのサンド・ファミリー財団は、素晴らしいアンティーク時計とオートマタのコレクターとして、時計界で名高い。その多くを修復し、神の手をもつと称賛された時計師が、ミシェル・パルミジャーニ氏である。
ロレックス スーパーコピー彼は、1996年に同財団の支援を受けて自身のブランド、パルミジャーニ・フルリエを設立した。そして自らが修復したアンティーク時計の中から、興味深いユニークな機構をいくつも腕時計で再現してきた。
このモデルに備わる特殊な時刻表示機構も、その1つ。モチーフとしたのは、19世紀初頭にスイス・ヌーシャテルのペラン兄弟が製作した懐中時計である。分インデックスを刻んだ円弧に沿って進む数字が時刻を表すと同時に、分針の役割を果たす。そのメカニズムは、ペラン兄弟がそうしたように、これまではプレートの下に隠されてきた。それが本作で、初めて表に姿を現したのだ。中央に据えられた3つのアームをもつモジュールは、通常の時針と同じく12時間で1周する。各アームには、それぞれ4つの時表示数字を刻む四角い突起のある回転ディスクが備わる。各ディスクには遊星歯車が取り付けられていて、アームの動きに準じてゆっくりと回転して円弧の分インデックスに常に正対しながら進み、さらに各々が3時間毎の新たな時刻の数字に切り替わる仕組みだ。その動きは、ハンドエングレービングによる、ミシェル氏が好むフィボナッチ数列に基づいたスパイラル装飾をステージとし、華やかさを極める。
さらに、この機構にミシェル氏は、やはりペラン兄弟と同じくミニッツリピーターを組み合わせた。ケース左サイドのレバーを操作すると、奥行き感のある時打ちの音が豊かに響くのは、ムーブメントを二重に取り巻く長尺のカセドラルゴングならでは。すべてのパーツは、入念に手仕上げされて美観を放つ。ダイヤル装飾や時打ちの音も含め、時計の隅々にミシェル氏の美意識が行き渡る。
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